闘牌

其ノ一 準備
其ノ二 親決め
其ノ三 配牌
其ノ四 闘牌の基本
其ノ五 飜数(役数)の計算、ドラ
其ノ六 流局
其ノ七 親の移動
其ノ八 勝敗決定(得点計算)
其ノ九 牌を喰らう(ポン、チー、カン)
其ノ十 カンについて





準備

 まずは、点棒を分けましょう。1人何点かというと、25000〜30000点の間(1000点単位)が主流です。
 そして、卓上で牌をみんなで混ぜます(これを洗牌{シーパイ}という)。 このときの音がなんとも言えず、心地よい・・・ジャラジャラジャラジャラ・・・
 混ぜ終わったら、牌を自分の前に積みます。 積み方は17個の牌を図1のように2段にして積みます(積んだ牌のことを牌山と言う)。 このとき、「いかに速く美しく積むか」というもう1つの戦い(前哨戦)が繰り広げられます。 みんなで牌を奪い合ってより多く積みましょう(あくまでも、正式ルールは1人17個×2段です)。 図2が完成図です。





 さぁ、これで闘牌の準備が整いました。




親決め

 親はサイコロを振って決めます。 まず、誰でもいいのでサイコロを2個振ります(この人を仮々親と言います)。 出た目の数だけ振った人を1として半時計回りに数えます。 で、あたった人がもう1度サイコロを2個振ります(この人を仮親と言います)。 さっきと同じように数えて、あたった人が親となります。 親は子よりも多く点をもらえるが、多く点を失います。利益がでかいが損失もでかいです。
 4人は親と子の区別のほかに東家、南家、西家、北家という分け方をされます。 親が東家で、東家から半時計回りに南、西、北となります。 例えば、Aさんが親とするとこのようになります。



 また、自分から見て左隣の人を上家(カミチャ)、右隣を下家(シモチャ)、 向かい側を対面(トイメン)と言います。




配牌

 次は、配牌ですが、例を使って説明します。
 親(Aさん)がまず、サイコロを2個振って、6が出たとします。 親決めと同じように数えて6番目の人(今の場合、Bさん)の前の山の 右から6列目(サイコロの目)を切り離し、その左隣(右から7番目)から A→B→C→D→A→・・・・の順番に2列(4個)ずつ時計回りにとっていきます。 ちなみにめくってある牌はドラ表示牌といいます。これは後ほど説明しますが、 配牌の時に必ずめくっておいてください。
 こうして、全員が3回(計12個)とったら親は上山の1つ目と3つ目をとって、子は1つずつとります(下図を参照)。



 結局、親は14牌、子は13牌持っていることになります。




闘牌の進め方(アガり方)

 最初に親(A)は14枚の配牌から不要牌を1枚捨て(捨て牌)、 つづいて、配牌の続きの山から、B→C→D→A→・・・・と(親の下家からスタート)、 反時計回り(常に上家の次)に牌を1枚取り(ツモ)、不要牌を1枚捨てる (ツモの方向と捨て牌の場所は図2を参照。捨て牌は6個×3列)。 これを繰り返し、各自がアガリを目指します。 つまり、4人とも常に13枚の牌を持っており(これを手牌という)、 14枚目の牌でアガることになります。

ポイント:アガリ以外では常に捨て牌をし、手牌を13枚に保つ。

 では、アガリの形について説明します。 基本的には2枚1組の組み合わせを1つと3枚1組の組み合わせを3つ(計14枚5セット) を完成させればアガリです。2枚1組の組み合わせを対子(トイツ)と言い、 アガリの形においては「アタマ」と言います。 3枚1組の組み合わせには順子(ジュンツ)と刻子(コーツ)の2種類があります。 順子は数字が連続している同じ種類の牌を3枚集めたもので、 刻子は同じ種類で同じ数字を3枚(または同じ字を3枚)集めたものです。


順子(ジュンツ)
刻子(コーツ)
××
××


アガリの例


アタマ


ポイント:アタマ+(順子or刻子)×4=アガリ(アタマを忘れるな!


 14枚目の牌でアガれる状態のことをテンパイと言い、 テンパイしているときは他人が捨てた牌を頂くことができます。 (ただし、捨てた直後だけ。厳密に言うと、捨ててから次の人がツモするまでの間) つまり、アガりの14枚目の牌は他人が捨てた牌でもOKです。 そのときは、でっかい声で「ローン!!」と叫ぶか、 渋い低音で「ロン・・・」と言って手牌を倒しましょう。 自分のツモでアガった時は「ツモ!」と言って手牌を倒しましょう。
 ここで注意して欲しいのが、この形ができていても、 役が無ければアガれない!ということ。 14枚の牌の組み合わせ等によっていろいろな役があり、 それぞれの役に飜数(役の単位)が設定されています(もちろん、難しい役ほど飜数が高い)。 で、一飜(イーハン)以上の飜数がなければ、アガることができません。 どんな役があるのかは
こちらを参照。




飜数(役数)の計算とドラ

 アガったらまず、飜数(役数)を数えましょう。役によって飜数が決まっているので、 自分のアガリ形がどんな役に当てはまるのか慎重に吟味しましょう。 複数の役が当てはまる場合はその全ての役の飜数を合計します。 この飜数によって、もらえる点数が決まっている(
こちらを参照)ので、 数え忘れがないように注意しましょう。 数え忘れていても洗牌までに気づかなければ無効となります。 許してくれる人もいるでしょうが、 私のように数え忘れに気づいていても何も言わない人もいるので、 役を完璧に覚えるなり、他の人に聞くなりしましょう。 (聞かれても教えてくれないこともあるので、自分で覚えておくか、 役の一覧表を携帯しておくのがよいでしょう。) ここはやはり勝負の世界、初心者だからという甘えは許されません。 それが嫌なら上達するまではやさしそうな人と麻雀しましょう。 役についてはこちらを参照。 タンヤオ、ピンフ、ツモ、リーチなどが見落とされやすいです。
 さて、ここで役とは別にドラも飜数に加えます。 ドラとはドラ表示牌の次の牌、数牌なら1〜9の数字の順番(9の次は1)、 字牌なら東南西北(北のときは東)、白発中(中のときは白)の順番です。



 自分のアガリ形の中に含まれているドラの枚数だけ飜数に加算されます。 ドラには裏ドラというのもあり、ドラ表示牌の下山が裏ドラ表示牌です。 これはリーチをしたときに限り有効で、リーチをするまで見ることができません。 あと、赤い牌があればこれは無条件にドラとなります。 赤い牌(最大でウーワン1枚、ウーソウ1枚、ウーピン2枚)は対局者同士で使うかどうかを決めてください。 1つ注意してほしいのは、ドラは役ではない! ということです。麻雀は役が一飜以上ないとアガることができません。 つまり、ドラを何枚持っていても役がなければアガれません。

ポイント:ドラに目がくらんではいけない!


 点棒の支払方法は次の2とおりあります。
  1. 誰かが捨てた牌でアガった場合(ロンアガリ)
  2. 自分のツモった牌でアガった場合(ツモアガリ)
1の場合はアガリ牌を捨てた人が全額支払ます。 2の場合、親がアガったときは子3人で割り勘、 子がアガったときは親が1/2、残りの子2人が1/4ずつ支払います。 点数がなくなった場合は(ハコテンという)、そこで終了です。




流局

 麻雀は誰かがアガるまで上のような「ツモ→捨て牌」を繰り返しますが、 最後から15枚目の牌(海底牌{ハイテイパイ})が最後のツモになります。 つまり、常に14枚の牌を残して終了します(この14枚の牌を王牌{ワンパイ}という)。



 最後の捨て牌(河底牌{ホーテーパイ})が終わった時点で誰もアガれなかった場合は、「流局」と言います。 この場合、テンパイしている人は「テンパイ」と宣言して手牌を倒します。 テンパイしている人はノーテン(テンパイしていない状態)の人から点棒をもらえます。 ノーテンの人(たち)が3000点を割り勘で支払い(ノーテン罰符)、 テンパイの人(たち)がそれを山分けします。
 その他にも
  1. 1巡目で全員が同じ風牌(東南西北)を捨てた場合
  2. 場にカンが4つできた場合
  3. 3人が同じ捨て牌に対して同時に「ロン」した場合
  4. 4人全員がリーチした場合
  5. 親は配牌、子は最初のツモで公九牌(一・九・字牌)が9種類以上あったときに、 その人は流局にするかどうかを選べます。
も流局となりますが、これらの場合には点棒の移動はありません。 ただ、5の場合を九種九牌といい、これは
国士無双という素晴らしい役を狙えます。

ポイント:九種九牌は国士への近道





親の移動

 誰かがアガるか、流局するまでを「一局」といい、一局ごとに点棒(点数)のやりとりが行われます。 子がアガったり、流局して親がノーテンだった場合は、親が変わります(「親が流れる」と言う)。 親は半時計回りに移っていきます(下図参照)。



 親がアガった場合を親は変わらず、そのまま次の一局を始めます。 これを連荘(レンチャン)といい、それを示すために親は100点棒を卓の右隅に置きます。 これをツミ棒といい、連荘(レンチャン)するたびに1本ずつ増やしていきます。 この本数に応じて1本場、2本場、3本場、・・・といい、 アガったときの点数が300点、600点、900点、・・・と増えていきます。 このツミ棒は親が流れたときに元に戻します。
 1週目を東風戦(東場)、2週目を南風戦(南場)と言い、 親が2週すると終了で、これを半荘(ハンチャン)と言います。

ポイント:親は連荘を狙え!子は親の連荘を阻止せよ!







勝敗の決定(得点計算)

 通常、半荘ごとに勝敗(1位〜4位)を決定します。 半荘(ハンチャン)が終了した時点での各自の持ち点を30000点を基準として計算します。 最初の持ち点はいろいろ(25000〜30000点)ですが、最終決算では30000点が基準です。 30000点を基準として±何点かを計算します。このとき、マイナスの人は100点台を切り上げて、 プラスの人は切り捨てて計算します(トップの人は計算する必要はありません)。 その点数を1000で割った値をポイントとします。例えば、持ち点が25100点ならば−4ポイント、 36800点ならば+6ポイントとなります。 トップの人のポイントは他の3人のポイントの合計です。




牌を喰う(ポン、チー、カン)

 「牌を喰う」ことを「鳴く」ともいいます。 昔、「オレの鳴きは牌を喰うんじゃない。牌に命を刻んでゆく…」と言い、 鳴くたびに牌に閃光がはしる!!そんな一世を風靡した伝説の雀士がいました。
 さて、この「牌を喰う」とはどういうことかというと、 あと1つで順子、刻子もしくは槓子(カンツ:同じ牌を4枚集めたもの)が完成するという状態において、 人の捨て牌をいただいてそれらを完成させることです。 ただし、ポン、カンは誰の捨て牌でもいいですが、チーは自分の左隣の人のみです。 タイミングはポン(チー、カン)される人がその牌を捨ててから、次の人がツモるまでの間です。 「ポン(チー、カン)」と宣言して牌をもらい、手牌から1枚捨てます。 で、完成した刻子(順子、槓子)はみんなに見えるように卓上の右端にさらします。 このため「鳴く」ことを「牌をさらす」ともいいます。 その後、場にさらした牌は手牌と入れ替えることはできません。
 しかし、「1つさらせば自分をさらす。2つさらせば全てをさらす。3つさらせば地獄が見える。」という 名言どおり、鳴くことは相手に手の内をばらすことになり、自分の身をほろぼすことにもなるでしょう。 その上、鳴いていない状態のことをメンゼンと言いますが、 初心者への救いである「
リーチ」や 「ツモ」という役はメンゼンでないと成立しません。 以上のことから、下手くそな「鳴き」をすると、本当に地獄をみることにもなりかねませんので、 初心者の方にはオススメできません。 鳴くのは飜牌のときだけにしとくのが無難です。 あと、河底牌(ホーテーパイ)を喰うことはできない!ということを覚えておいてください。
 鳴いたときはツモができません。ツモ順は鳴いた人の下家(右隣)からになります。 つまり、ツモの順番(ツモ順)が変わります。 ツモ順が変われば場の流れ(運、ツキの流れ)が変わることもあります。 場の流れというのは麻雀に勝つための重要な要素です。 このため、流れを変えるためだけの戦術的な「鳴き」もあります。
 同じ捨て牌に対して複数人がポン、チー、カン、ロンのいずれかをした場合の優先順位は ロン>ポン、カン>チーとなっています。

ポイント:初心者はむやみに牌を喰うな!





カンについて

 カンには次の3とおりあります。
  1. 手牌に同じ牌が3つあって他人の捨てた牌をいただく
  2. すでにポンしていて、自分で同じ牌をツモる(追加のカン)
  3. 手牌に同じ牌が4枚ある(4枚とも自分でツモる)
すでにポンしていて、他人の捨て牌でカンするのは不可能です。 また、3の場合はメンゼンとなります。 ただし、海底牌(ハイテーパイ)ではカンできません。
 カンをした後はポン、チーと同じく場にさらさなければなりません。 そして、リンシャン牌@をツモり、Dをめくってドラ表示牌を増やしまし(1,2の場合は捨て牌をしてからめくる)、 不要牌を1つ捨てます。 それから、海底牌(ハイテイパイ)を王牌(ワンパイ)に加え、 Hを新たな海底牌とします(王牌は常に14枚に保たなければならないから)。



2回目のカンではAをツモり、Eをめくって、Iを海底牌とします。 リンシャン牌は@〜C、ドラ表示牌はD〜Gと順番にめくっていき、 海底牌もH〜Kと移っていきます。ただし、カンは全員合わせて4回までです。 4回目のカンの捨牌で誰もアガらなかった時点で流局となります。 ツモ順はカンをした人の下家からになります。
 何のためにカンををするのか?それはドラを増やすためです。あと、符数(点数)も増えます。 しかし、メンゼンを捨ててまでカンするのは考えものです。